猫の尿石症の原因・症状・予防法・治療法ーこんなネコは特に注意!

なぜ猫は尿石症になりやすい?

猫は尿石症になりやすい?

なぜ猫は尿石症を発症しやすいのでしょうか?

 

それは、猫の祖先が住んでいた地域の気候が関係しています。

もともと猫の祖先は砂漠に住んでいて雨が少なかったので、水分を有効活用出来るように進化したと言われています。

そうです、体内に水分を溜めておくためにオシッコの量や回数が少なくなったのです。

 

そのうえ、近年は体質や生活習慣などの要因によりオシッコが濃くなる事が増えたので、尿石症を発症しやすいのです。

尿石症ってどんな病気?

猫が発症しやすい病気の一つである尿石症ですが、病名は知られていても以外とどんな病気か知られていない事が多いようです。

 

尿石症とは、オシッコが作られてから排出されるまでの通り道(尿路)である、腎臓や尿管、膀胱、尿道のどこかに結石(オシッコの成分が濃縮して固まったもの)が出来てしまう病気の総称なのです。

なので、「腎臓の場合は腎結石」「尿管の場合は尿管結石」「膀胱の場合は膀胱結石」「尿道の場合は尿道結石」といった具合に結石が出来た場所によって病名が違います。

 

さらには、猫の体内に出来る結石にも種類があるのです。

ストルバイト結石

膀胱や尿道に細菌が感染することにより普通は酸性であるオシッコがアルカリ性になってしまうことで、リン・アンモニウム・マグネシウムを溶かす事が出来なくなり結晶・結石化して出来るのがストルバイト結石です。

シニア猫になる迄の7歳未満の猫に出来やすい傾向があります。

オシッコを酸性に戻す事でストルバイト結石を溶かす事が出来るので、療法食や投薬によって改善することが多い結石です。

シュウ酸カルシウム結石

肉類などに多く含まれるシュウ酸がカルシウムと結合することにより結晶・結石化して出来るのがシュウ酸カルシウム結石です。

歳を重ねた猫ほどシュウ酸カルシウム結石が出来やすく、シニアになるほど出来やすい傾向があります。

シュウ酸カルシウム結石は溶けにくいので手術が必要となることが多い結石です。

複合結石

シュウ酸カルシウムやリン酸カルシウムなどの複数の成分が結晶・結石化する事で出来るのが複合結石です。

複合結石は他の結石と比べると大きくなりやすい性質があるので、早期発見が大切になります。

結石の大きさや成分に合わせた治療が必要となります。

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尿石症の症状は?

尿石症になると結石が出来た場所や結石の大きさにより「オシッコが出にくくなる」「オシッコに血が混じる」などの症状が見られます。

尿石症が悪化すると、結石が尿路を完全に塞いでしまいオシッコが出なくなってしまう「尿路閉塞(にょうろへいそく)」と呼ばれる状態になってしまいます。

さらに、オシッコが出ない状態が続くと、オシッコで排出されるはずの毒素や有害物質が全身にまわってしまう「尿毒症(にょうどくしょう)」と呼ばれる状態になり、命に関わる危険もあります。

下記の様な症状が見られたら尿石症の疑いがありますので、獣医師の診察を受けましょう

  • 普段より1回のオシッコの量が少ない
  • いつもよりオシッコの臭いが強い
  • オシッコの色が濃く(黄土色っぽく)なって来た
  • オシッコの色が赤く(ピンクっぽく)なっている
  • オシッコに光が当たるとキラキラ輝く
尿石症の症状は?

猫によっては、オシッコに変化がなくても尿石症を発症していることもあります。

尿石症を発症すると「陰部に違和感がある」「オシッコをする時に痛みがある」などの自覚症状もあるので、下記のような様子が見られた場合は獣医師の診察を検討して下さい。

  • しきりに陰部をなめる
  • か細い声でつらそうに鳴く
  • オシッコの時間が長い
  • 繁盛にトイレに行く
  • トイレ以外の場所でオシッコをする
  • 食欲の減退
  • イライラしている様に見える
  • 下半身を触ると嫌がる・痛がる
  • 背中を撫でると嫌がる・痛がる

尿石症になりやすい猫は?

猫によっての個体差はありますが、種類や生活習慣などによって尿石症を患いやすい事があります。

特に、下記に当てはまる猫は尿石症を発症しやすいので、日頃から愛猫の様子に注意してあげて下さい。

雄猫

猫の性別によって結石が出来やすいという事はありません。

しかし、雌猫の尿道の太さが約5?あるのに対して雄猫の尿道の太さは約1?程しかないうえに尿道が長いので、雄猫の方が尿道に結石が詰まりやすく重症になりやすい傾向があります。

シニア猫

結石は年を重ねて徐々に大きくなることで発症する事もあるので、若い猫よりシニア猫の方がリスクが高くなります。

それに、シニア猫は身体の衰えなどにより「水を飲むのがめんどくさい」「トイレが億劫」となりがちなのも尿石症の原因の一つのようです。

特定の純血種

研究の結果、ヒマラヤンやペルシャ、ラグドールなどの長毛種に尿石症の多い事が分かっています。

その他にも、アメリカンショートヘアーやバーミーズは上部尿路結石を発症しやすい傾向があります。

ドライフードを食べている猫

ドライフードはウエットフードに比べて水分含有量が少ないので、主にドライフードを食べている猫は水分の摂取量が少なくなる傾向があります。

水を飲む事で足りない水分を補えば良いのですが、普段からあまり水を飲まない猫は尿石症のリスクが高いといえます。

煮干しやカツオ節が好きな猫

煮干しやカツオ節にはミネラルがたくさん含まれています。

ミネラルに含まれるマグネシウムやカルシウムは結石を作る成分なので、おやつなどに煮干しやカツオ節を食べている猫は尿石症に注意が必要です。

肥満気味の猫

猫も人と同じで肥満になると運動が億劫になります。

運動量自体も少なくなるのですが、水を飲むことやトイレに行くことさえ億劫になってしまうようです。

その結果、体内でオシッコが濃縮されて結石が出来やすい状態になってしまいます。

神経質な猫

「水の置き場所や状態」「トイレの場所や汚れ具合」などにこだわる神経質な猫は、気に入らないので「水を飲まない」「トイレに行かない」などの行動を取る事があります。

それに、神経質な猫はどうしてもストレスを溜めやすい傾向があります。

ストレスは「突発性膀胱炎」の原因となりやすく、尿石症の発症を後押ししてしまうこともあるのです。

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尿石症の予防法

尿石症の予防法

尿石症を予防するには、オシッコに含まれているミネラルを結晶・結石化させないことが大切です。

もちろん、猫の体質や生活習慣により予防法は変わりますが、下記のような事に注意すると尿石症を予防することが出来ます。

飲水量を増やす

飲水量が増えればオシッコの量も回数も増えるので、結石の成分を体外に排出することが出来ます。

なので、愛猫に水をたくさん飲んでもらえるように、水の置き場所や器、温度などを工夫してみましょう。

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ご飯に気を付ける

結石の原因となるミネラルなどが豊富な煮干しやカツオ節を「普段のごはんのトッピング」「おやつ」などで与えない様にすると予防効果があります。

更に、普段のご飯をミネラル調整を行った療法食に変えることも予防になります。

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トイレ環境を見直す

トイレが汚れていると、オシッコを我慢してしまう猫が多いようです。

愛猫が気持ちよくオシッコが出来るように「静かな場所にトイレを置く」「トイレを常に清潔に保つ」といった事を心掛けましょう。

更に、こまめなトイレ掃除は尿石症の早期発見につながります。

運動量を増やす

猫も人と同じで運動後は喉も乾きますし、新陳代謝も良くなります。

その結果、飲水量が増えますし、オシッコの量や回数も増えるので尿石症予防に効果的です。

子猫は一人遊びも大好きですが、歳を重ねると自分一人では遊ばなくなってしまうので、積極的に遊んであげましょう。

ストレスを溜めない

猫はストレスを溜めると運動量が減ってしまいます。

なにより、ストレスは様々な病気の原因になってしまい合併症としての尿石症の発症もありえるので、普段の愛猫の様子に注意してあげて下さい。

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健康診断を受ける

尿石症は、猫の体質や結石の大きさによっては無症状の場合もあります。

尿石症だけでなく他の病気の予防にもなりますので、定期的(1年毎等)な健康診断をおススメします。

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尿石症の治療法

一口に尿石症の治療といっても、結石の種類や結石のある場所によって変わってきます。

点滴による治療

軽度の尿石症の場合は、点滴により「オシッコを薄める」「排尿を促進する」「オシッコの回数を増やす」といった治療を行います。

その後、療法食により再発防止を行います。

療法食や投薬による治療

ストルバイト結石や小さい結石の場合はミネラル量を調整した療法食や投薬によって、結石を溶かすことが出来ます。

手術が難しい部位に結石が出来た場合も療法食や投薬による治療を行います。

また、尿路に炎症がある場合は抗生物質や消炎剤の投与を行う事もあります。

手術による治療

シュウ酸カルシウム結石や複合結石、おおきな結石の場合は手術により取り除く事になります。

以前は開腹手術が主だったのですが、近年は医療の発達により腹腔鏡で結石を摘出するなどの猫の身体に負担が少ない手術法が増えています。

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尿石症の症状・予防・治療法ーまとめ

尿石症の症状・予防・治療法ーまとめ

以前にも記事にしたのですが、我家のハナは生後1年位の時に尿石症の疑いがありました。

ある日、ハナのオシッコ後がキラキラ光っていたので、念の為に獣医さんの診察を受けて発覚したのです。

幸い尿石症の症状が出る前に見つける事が出来たので投薬も手術もしていませんし、それ以来は予防を続けているので現在も再発していません。

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以前は上部尿路(腎臓・尿管)の結石は見つける事が困難でしたが、近年はCT検査などの医療発達により見つける事が出来るようになりました。

その結果、上部尿路結石によるオシッコの逆流で腎臓に大きなダメージが加わり腎臓病を発症する事が分かってきたのです。

尿石症を予防することで、猫の死亡原因の上位と言われている腎臓病の予防にも効果があります。

 

それと、忘れて欲しくないのですが尿石症はとても再発しやすい病気です。

「治療したから」「尿石症が発症したことがないから」といっても油断せずに予防を心掛けてあげて下さい。

やっぱり、愛猫には病気にならずに健康で長生きして欲しいものですよね。

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