あなたの愛猫はストレスを溜めていませんか?
「猫の様に気まぐれ」とか「猫はマイペース」などとよく言われます。
猫は自分勝手で奔放なイメージがあるので、ストレスとは無縁と思っている人も多いようですが・・・
実は、猫は凄くストレスを感じやすい動物なのです。
猫は昔から、犬と違って単独行動を行う動物だったので、自分一人で獲物を狩らないといけませんし、自分の身も自分一人で守らないと生きていけませんでした。
なので、常に周囲を警戒し周りの変化に敏感である必要があったのです。
その名残りで、身の危険の無い「完全室内飼いの猫」でも様々な事でストレスを溜めてしまうのです。
ストレスが原因で病気に
人はストレスを溜まると「イライラしたり」「落ち着きが無くなったり」してしまいますし、ストレスの蓄積の度が過ぎると「体調を崩したり」ひどい場合は「病気」になってしまいます。
それは、猫も例外ではありません。
もし、あなたの愛猫が病気なら、病気の原因はストレスかもしれません。
猫がストレスを溜め過ぎるとなりやすい病気は以下の様なものです。
猫下部尿路疾患・便秘
ストレスが原因で発病してしまう病気の代表的なものに、尿石症や膀胱炎のような猫下部尿路疾患があります。
ストレスの原因が「トイレが汚れている」場合は、トイレを我慢してしまうので便秘になってしまう事もあります。
胃腸炎・猫カゼ
ストレスが溜まると免疫力が下がってしまうので、胃腸炎や猫カゼ(猫ウイルス性鼻気管炎・カリシウイルス感染症)を発症しやすくなってしまいます。
脱毛症・皮膚炎
猫はストレスを溜め過ぎると、ストレスを解消するために「グルーミングをやり続ける」という行動をする事があります。
その結果、脱毛症や皮膚炎になってしまいます。
猫のストレスの原因と対処法は?
猫のストレスの原因の中には、「こんな事にまでストレスを感じるの!」と言ったものもあります。
愛猫のためにも、猫がストレスを感じやすい出来事を知っておいて下さい。
大きな音がする
猫は聴覚が発達しているので、大きな音がすると驚いてストレスを感じてしまいます。
日常的な生活音には徐々に慣れる事もありますが、突発的な工事や花火、雷の音などは「身体がすくんでしまう」くらい苦手です。
- 掃除機やドライヤーなどのモーター音
- 工事や花火、雷などの突発的で大きな音
- 来客時のインターホンの音
事前に大きな音がする事が分かっている場合は、前もって猫を影響の少ない場所に移動させましょう。
突発的な音の対処には、猫が逃げ込める場所(押入れ、家具の下など)を用意してあげましょう。
知らない人に合う
猫は知らない人が自分の縄張りに入ってくると、縄張りを荒らされると思いストレスを感じてしまいます。
特に、普段から来客の少ない家の猫は大きなストレスを感じます。
- 知らない人
- 身体の大きな人
- 声の低い人
- 男の人
- 子供
猫が知らない人の気配を感じないで済むように、その人から離れた所に猫が落ち着ける場所を用意してあげましょう。
嫌がる猫を無理にお客様と対面させたり、声をかけたりしない様にしてあげて下さい。
身体の束縛される
猫は臆病な動物なので、常に逃げられる様に準備をしています。
身体を束縛されると、怖いことがあっても直ぐに逃げられないのでストレスを感じてしまうのです。
特に、過去に「痛い思い」「嫌な思い」などをした場合は良く覚えているので、想像しただけでもストレスを感じてしまうようです。
- 無理やり抱っこされる
- 爪切り
- 耳掃除
- 歯磨き
- 投薬
身体を束縛された後に、「遊んでもらえる」「おいしい物をもらえる」などの嬉しい事があると理解すればストレスを緩和出来ます。
お世話を嫌がる場合は、飼い主のあなたを嫌いになってしまう事もあるので、獣医さんなどの専門家にお願いするのも一つの方法です。
知らない場所に行く
猫は縄張りを作る習性があるので、縄張りの外に出る事に恐怖を感じます。
なので、縄張り以外の知らない場所である「動物病院に行く」「引越し」などにストレスを感じるのです。
特に、「動物病院」には「怖い」「痛い」「うるさい」などの猫が嫌いな事がたくさんあるので、大きなストレスを感じる猫が多いのです。
猫を知らない場所に連れて行く時に入れるキャリーケースには、猫が外を見ないで済む様に布などをかけてあげるとストレスの緩和になります。
他には、愛猫の臭いが付いた「お気に入りのおもちゃ」などを一緒に入れてあげましょう。
知らない犬や猫がいる
猫は犬と違って群れを作らず、単独行動を好みます。
犬だけでなく、自分以外の猫がいるだけでもストレスを感じる猫もいます。
特に、もともと「一匹だけで飼われている猫」は縄張りを荒らされると感じるので、他の猫との共存にも大きなストレスを感じてしまいます。
他の犬や猫が見えない様に「カーテンなどで仕切りを作る」「部屋を分ける」など生活スペースを分けるとストレスを緩和出来ます。
もちろん、「食事道具」「トイレ」「ベッド」なども専用の物を用意してあげましょう。
飼い主にかまってもらえない
猫は気まぐれな動物ですが、飼い主の事を嫌いな猫はいません。
その証拠に、あなたが外出から帰ってくると「喜んで迎えに来る」のではないでしょうか。
飼い猫は飼い主にかまってもらえない事にもストレスを感じてしまいます。
あなたが愛猫に癒されている様に、愛猫もあなたとのスキンシップに癒されています。
特に、「子猫から育てられた猫」はあなたの事を母猫とも思っていますので、甘えたい気持ちが強いようです。
愛猫とスキンシップをたくさん取りましょう。
その他にも・・
- 「結婚」「出産」などで家族が増える
- トイレが汚れている
- 「ペットホテル」「知らない人の家」に預けられる
- 「車」「電車」などの乗り物に乗る
以上のような、普段あまり起こらない出来事にも強いストレスを感じてしまいます。
愛猫のストレスサインを見逃さないで!
上記のように、猫は様々な事にストレスを感じています。
猫によって多少の個体差はありますが、ストレスを感じている猫は下記の様なサインを出しています。
日頃から、愛猫の行動を注意深く見てあげて下さい。
初期のストレスサイン
- 運動量が減少する
- 食欲が減少する
- あまり鳴かなくなる
- 遊ばなくなる
- グルーミングの回数が減少する
- 飼い主や家族に威嚇を行う
- 部屋の隅や狭い場所に隠れて出てこなくなる
中期のストレスサイン
- 飼い主や家族に攻撃してくる
- グルーミングばかりしている
- 鳴いてばかりいる
- 粗相をする
- 何もない場所にじゃれたり攻撃したりする
- 普段と違う行動をする(場違いな行動をとる)
末期のストレスサイン
- 同じ行動をやめない(意味のない行動をやり続ける)
- 自分を攻撃する
- 明らかに行動がおかしい
猫のストレスの原因と対処法ーまとめ
しかし、飼い猫は人と一緒に暮らす以上、完全なストレスフリーを得る事は出来ません。
では、どうすればストレスに耐性を付ける事が出来るのでしょうか?
実は、「生まれ持った性質」「子猫の頃の経験」がその猫のストレス耐性に関係しているらしいのです。
特に、生後2?12週の「社会化期」と呼ばれる、「一人立ちするために必要な知識や経験などを学ぶ時期」に下記のような事を経験させるとストレスに強い猫に育つようです。
- 掃除機の音などの生活音に慣れさせる
- 家族以外の人に触れ合う
- 抱っこや爪切りなどに慣れさせる
- 動物病院や知らない場所に行く
- 他の犬や猫と触れ合う
- 車や電車などに乗せる
愛猫に健康で長生きしてもらうためには、愛猫のストレスサインに一早く気付き、取り除いてあげる事が大切です。
そのためにも、普段の愛猫のしぐさなどに注意してあげて下さい。