愛猫の長生きに健康診断は不可欠です
愛猫に長生きしてもらうためにも「病気知らず」でいて欲しいものです。
しかし、猫は自分の体調が悪くてもあなたに伝える事が出来ません。
ですので、愛猫の病気や体調不良にいち早く気付くためにも健康診断は欠かせません。
今回は、猫の健康診断の受診手順や検査内容や費用をまとめてみました。
健康診断を受診する手順
1.動物病院に健康診断の電話予約をする。
- 日時の決定
- 内容の確認
- 費用の確認
- 当日に持参する物(ウンチなど)の確認
- 当日までの飲食可能時間の確認
以上の内容を事前に確認しておきましょう。
検査当日に予防ワクチン接種もしたい場合は、その旨も伝えておくと検査がスムーズに進みます。
2.健康診断当日までにしておきたいこと
キャリーケースに慣れさせる
健康診断当日は愛猫をキャリーケースに入れて動物病院へ連れて行く事になりますが、猫が外出やキャリーケースに慣れていないと過度に興奮したりストレスがかかってしまい検査結果に影響が出てしまう事があります。
そんな事が無いように、事前にキャリーケースに慣れさせておきましょう。
動物病院への移動中は、キャリーケースに布などを掛けて猫に外の景色が見えないようにすると、猫への刺激が抑えられるので試して下さい。
爪をきっておく
健康診断当日に猫の爪が伸びていると、慣れない場所に興奮した猫に引っ搔かれてケガをする事があるので爪を切っておきましょう。
検査の種類と費用の目安
一口に健康診断といっても、猫の健康状態や年齢などにより行う検査内容が変わります。
検査の内容によって見つかりやすい病気も違いますし費用も変わってきますので、獣医さんとよく相談しましょう。
身体検査
問診・視診・触診・聴診により猫の健康状態の確認を行います。
身体検査で見つかる病気もありますが、他の検査を合わせる事でより詳しい病状を知る事が出来ます。
検査内容
- 問診
獣医さんが飼い主のあなたに、猫の普段の様子・健康状態・気になる事などを聞き取ります。 - 視診
獣医さんが猫の目・口・歯・耳などを目視により診断します。 - 触診
獣医さんが猫の皮膚・お腹・関節・リンパ節・肛門腺などを触る事により診断します。 - 聴診
獣医さんが猫のお腹や肺などの音を聴診器で聞く事により診断します。
見つかりやすい病気
- 結膜炎
- 歯周病
- 外耳炎
- 皮膚炎
- 猫カゼ(猫ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス感染症)
費用の目安
1,000?2,000円程度
血液検査
血液中の「成分異常」「ウイルスの有無」を見つける検査です。
検査内容
動物病院で注射器を用いて猫から血液を採取します。
「血液化学検査」「血液学的検査」「ウイルス検査」などにより血液中の成分を分析し病気の有無を診断します。
見つかりやすい病気
- 肝臓病
- 腎臓病
- 猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)
- 猫白血病(猫白血病ウイルス感染症)
費用の目安
4,000?6,000円程度
尿検査
猫に多い泌尿器系の病気を見つける検査です。
検査内容
動物病院で猫から尿を採取します。(自宅で採取するよう指示がある場合もあります)
尿の「見た目」「比重」「ph」「糖」「ピルピリン」「タンパク」などにより病気の有無を診断します。
見つかりやすい病気
- 尿石症
- 膀胱炎
- 糖尿病
費用の目安
1,000?2,000円程度
便検査
体内の寄生虫感染症を見つける検査です。
検査内容
自宅で猫の便を採取し動物病院に持参します。
便の「寄生虫の有無」「食べ物の消化状態」により病気の有無を診断します。
見つかりやすい病気
- トキソプラズマ症
- 疥癬症
- 瓜実条虫症
- 犬猫回虫幼虫移行症
費用の目安
1,000?2,000円程度
レントゲン検査
外からは見えない、「臓器や臓器周辺」「骨や関節」の病気を見つける検査です。
検査内容
動物病院で猫のレントゲン撮影を行います。
レントゲン写真から「臓器の大きさ・形状・位置」「骨や関節の状態」により病気の有無を診断します。
見つかりやすい病気
- 肺炎
- 喘息
- がん(悪性腫瘍)
- 関節炎
- 骨軟骨異形成症
費用の目安
5,000?8,000円程度
エコー検査
レントゲン検査では判断しにくい「臓器内部」の病気を見つける検査です。
検査内容
猫の胸やお腹に専用器具を当てます。(猫に痛みはありません)
超音波によりモニターに映る「臓器の内部状態」から病気の有無を診断します。
見つかりやすい病気
- 心臓病
- がん(悪性腫瘍)
費用の目安
4,000?6,000円程度
健康診断の検査内容と費用の目安ーまとめ
猫の年齢や状態により受ける検査の種類は違いますが、6つ全ての検査を受ける場合は2?3時間程で検査は終了します。
「愛猫が大人しく検査を受けてくれるのか」などの心配があるかもしれませんが、暴れる猫には「猫の首の後ろをクリップで挟む」や「鎮静剤の投与」を行うので問題ありません。
母猫は子猫の首の後ろをくわえて運びます。
猫は首の後ろをつままれると大人しくなる習性があります。(個体差あり)
鎮静剤は麻酔ではないので、副作用はほとんどありません。
猫の精神を安定させるので、「恐怖」「ストレス」などの軽減効果があります。
気になる健康診断の結果ですが、病院よっては検査結果が出るまでに数日?10日程度かかることもあるので、獣医さんに確認しておきましょう。
「”動物病院での検査”と聞くと愛猫の体調が悪くなった時に受診すれば良いんだ」と思うかもしれません。
しかし、本当に大切なのは「愛猫の健康な時の状態を知る」という事なのです。
「現在の健康状態」と「過去の健康状態」を比べる事によって、いち早く病気を見つける事が出来るのです。
なぜかというと、猫は健康そうに見えていても病気が隠れていることが多いのです。
自然界で生きている動物は病気の初期症状ぐらいで体調を崩していては生きていけないので、かなり症状が進まないと外見からは分からない事が多いのです。
ですので、一番最初の健康診断は生後6ヶ月のワクチン接種と同時に受診することをおススメします。
二回目の健康診断からは一年毎のワクチン接種を目安に健康診断を受診すれば、忘れる事もないので良いでしょう。
シニア猫(8歳齢以上)や持病がある猫の場合は、6ヶ月毎に健康診断を受診すれば安心です。
全ての種類の健康診断を受診すると合計費用は15,000?20,000円となりますが、なにも毎回全ての健康診断を受診しなければならない訳ではありません。
愛猫の年齢や健康状態や持病などを考慮して、どの検査をするのかを獣医さんに相談すれば良いのです。
そうすれば、コストパフォーマンスも良くなりますし、愛猫の負担を少しでも減らす事が出来ます。
どうしても全ての健康診断を受診したければ、最近は割安なセット料金を設定してより詳細な検査を行う「人間ドック」ならぬ「キャットドッグ」を行っている病院もあります。
改めて言う事ではありませんが、病気は早期発見することで負担も少なく、完治する可能性も極めて高まります。
愛猫の健康と長生きのためにも、定期的に健康診断を受けさせたいものですね。