猫の多頭飼いで悩んでいませんか?
猫の多頭飼いを始めるきっかけには様々なパターンがあると思います。
なかでもよく聞くのが、「先住猫がいるが、他の猫を保護した」「先住猫がいるが、多頭飼いに挑戦したい」といった理由です。
理由はどうあれ、出来れば愛猫達には仲良くなって欲しいものです。
今回は、「猫同士の相性」や「多頭飼いを成功させるコツ」をまとめてみました。
猫同士の相性は?
多頭飼いを始めるにあたって一番気になるのが、猫同士の相性ではないでしょうか。
せっかく多頭飼いを始めても、相性が悪いと猫同士が仲良くなる可能性は低くなってしまいます。
同時に2匹の子猫を飼い始める場合は、それほど猫同士の性別や性格を気にする必要はありません。
しかし、猫の血縁関係や性別や年齢によって、相性の良い組合せや悪い組合せがあるので参考にして下さい。
血縁関係による相性
◎ 兄弟
〇 親子
△ 血縁関係無し
性別による相性
〇 雄猫 × 雌猫
△ 雄猫 × 雄猫
△ 雌猫 × 雌猫
年齢による相性
◎ 子猫 × 子猫
〇 成猫 × 子猫
△ 成猫 × 成猫
△ シニア猫 × 子猫
△ シニア猫 × 成猫
△ シニア猫 × シニア猫
猫の多頭飼いを成功させるコツ
先住猫の性格にあった相手を選ぶ
先住猫がいる場合は、先住猫の性格と相性の良い性格の猫を選ぶと多頭飼いが上手くいく事が多いようです。
猫の性格の見分け方ですが「先住猫のお客さんや他の猫へ対する対応」で見分けて下さい。
- 自分から積極的に相手を攻撃しようとする。
- 自分から積極的に相手に挨拶しに行く。
- 知らない相手がいても普段の行動と変わらない。
相手の猫の性格との相性
〇 おとなしい性格
△ 活発な性格
△ 人懐っこい性格
? 怖がりな性格
- 相手に会わないように逃げてしまう。
- 相手を逃げ腰に威嚇する。
- 知らない相手がいると普段と行動が違う。
相手の猫の性格との相性
〇 おとなしい性格
△ 人懐っこい性格
△ 怖がりな性格
? 活発な性格
猫同士の力関係をはっきりさせる
多頭飼いでは、ご飯やトイレや縄張りなどの争いによるトラブルがよくあります。
このような争いが起こるのは「猫同士の力関係がはっきりしていない」という理由が多いので、猫の上下関係がはっきりすると弱い猫が譲るようになるのでトラブルが少なくなります。
では、猫同士の力関係をはっきりさせる方法ですが、一番手軽なのは猫同士のケンカに飼い主のあなたが干渉しない様にする事です。
飼い主のあなたが仲裁に入ると、猫が「遠慮」「焼きもちを焼く」などして序列が付きにくくなってしまいます。
「家族なのだから、平等に暮して欲しい」と思うかもしれませんが、動物の世界は序列がはっきりしている方が上手くいく事が多いようです。
他にも、トイレやベッドなどの取り合いであれば、それぞれの猫が専用の物を決められる様に複数用意してあげると上手くいく傾向があります。
猫同士の仲が良くない場合は生活スペースを分ける
それでも猫の力関係がはっきりせずに、仲が悪い状態が続く様なら生活スペースを分けてあげた方が良いかもしれません。
- 相手の猫に合う時、尻尾が立っていない。
- いつも離れている。
- 相手の猫に威嚇を行う。
- 相手の猫が近寄ってくると逃げる。
マンションなどの一層のお家の場合は、部屋を分けてそれぞれの部屋に専用のご飯やトイレやベッドを置いてあげる。
戸建てなどの二層以上のお家の場合は、階層を分けると猫同士の動線が交差しないので争いを防ぐ事が出来ます。
多頭飼いを始める時の手順
猫同士を対面させる最初の手順を間違うと、それがきっかけで仲が悪くなってしまう事があるので注意が必要です。
それと、猫同士が慣れるまでは相手の猫をケガさせないように、こまめに猫の爪を切っておく事も忘れないで下さい。
ステップ1(1?3日目)
まず最初に、新しい猫は専用のケージに入れてお家に慣らせる事を優先させて下さい。
その際に注意するのは、先住猫と新しい猫を合わせない様にする事です。
新しい猫にとって環境の変化は大きなストレスなので、一度にたくさんの変化を与えずに一つずつ順番に慣れさせる事が大切です。
しかし、お互いの存在を知らせる必要があるので、それぞれの猫の匂いを付けた布やタオルを相手の猫の近くに置いておくと良いでしょう。
ステップ2(4?7日目)
新しい猫がお家に慣れたようであれば、新しい猫をケージに入れたままで先住猫と対面させてみて下さい。
どちらの猫も落ち着いているようなら、ケージから出して直接対面させてみましょう。
その際は必ず、飼い主のあなたが見ていてあげて下さい。
もし、どちらかが威嚇するようであれば、新しい猫をケージに入れた状態で対面させる日数を延長して様子を見てあげて下さい。
ステップ3(8?14日目)
あなたが在宅中は、それぞれの猫を自由に行動させて様子を見てみましょう。
しかし、あなたが外出している時は、新しい猫をケージに入れるようにしてあげて下さい。
もし、あなたが居ない時にトラブルが起こってしまうと、関係を修復することが難しくなってしまいます。
捨て猫を拾った場合
捨て猫など健康診断の結果が出ていない猫の多頭飼いをする場合は、感染症や寄生虫がうつってしまう可能性があるので、先住猫と新しい猫を同じ部屋で過ごさせないで下さい。
猫同士を直接対面させるのは、それぞれの猫に感染症や寄生虫の疑いが無くなってからにしてあげて下さい。
猫の多頭飼いを始める時に注意したい事ーまとめ
上の写真は現在のハナとチョビです。
我家が現在の多頭飼いになったのは、2012年6月に連合いがチョビを拾ってきた日からなのですが、その頃のハナは8歳になった雄のシニア猫で、知らない人に合うと威嚇や攻撃をするような「気が弱い猫」でした。
そして拾ってきたチョビは生後3?4週目位の雄の子猫で、自分から積極的に相手に挨拶しに行く「気が強い猫」でしたし、そのうえ寄生虫であるコクシジウムにも感染していました。
猫同士の相性としては、「△血縁関係無し」「△雄猫×雄猫」「△シニア猫×子猫」のオール△で、性格の相性は気の弱い先住猫に「?活発な性格」な新しい猫といった状況でした。
多頭飼いの手順としては、チョビはコクシジウム症に感染していたので、ハナとは別の部屋で完全に隔離していました。
チョビのコクシジウム症が完治した後、チョビをケージに入れた状態で部屋に置いておき、ハナの出入りを自由にして3日程様子を見ていましたが、特にハナもチョビも威嚇することはありませんでした。
その後1週間程は、お家に誰か人が居る時はチョビをケージから出して、ハナと自由に触れ合えるようにしていました。
その頃の2匹の様子は、「気が弱い猫」のハナはチョビに関わろうとはしませんでしたが、「気が強い猫」のチョビは遊んで欲しいのか、ハナに無視をされても果敢にアタックしていました。
ハナは知らないお客さんには激しく威嚇や攻撃をする猫でしたが、チョビが子猫だったせいか攻撃する事は無く、チョビがしつこくハナにちょっかいをかけると自分が逃げながら「こっちに来るな!」といった感じで軽い威嚇を行うといった状態でした。
なので、猫同士が仲良く「じゃれあって遊んだり」「くっついて眠る」というような、多頭飼いの理想の姿を見せてはくれませんでした。
この様な記事を書いていて何ですが、我家の多頭飼いはお世辞にも上手くいった訳ではありません。
しかし、多頭飼いを始める手順はキチンと踏んだので、それほど相性が良くない猫同士でも「生活スペースを分ける」といった状態にはなりませんでした。
現在の2匹ですが、相変わらず「じゃれあって遊んだり」「くっついて眠る」といった事はありませんが、写真のようにハナは私の膝に乗りチョビは横で座っているくらいの関係にはなってくれたので満足しています。
もし、あなたが猫の多頭飼いに挑戦しようと思っているなら、しっかり手順を踏んであげて下さい。
猫同士の関係は後々良くなることはほとんど無いので、それぞれの猫が穏やかに暮らせるように努力してあげて下さい。