いきなりですが、クイズです。
一般的な猫の鼻は、「湿っている」or「乾いている」のどちらだと思いますか?
突然聞かれると、普段から猫と接する機会の多い方でも答えられないかもしれませんし、
もしかしたら、猫を飼っている方でも答が分かれるかもしれません。
正解は、猫の鼻は「湿っているときもあれば」「乾いているときもある」です。
実は、猫の鼻って、行動によって「湿っているか」「乾いているか」が変化するんです。
なので、日頃の愛猫の状態を知っていれば、鼻が湿っているか、乾いているかを見るだけで、超簡単に体調チェックすることができます。
今回は、知っているようで意外と知らない、猫の鼻に関するお話です。
何故、猫の行動によって鼻の状態が違うの?
では何故、猫の行動によって、鼻が「湿っているとき」や「乾いているとき」があるのでしょうか。
それは、猫の嗅覚の仕組みによるものらしいのですが、
「犬」や「猫」が人よりも嗅覚が鋭いのは、鼻から出ている分泌物が「ニオイの分子」を集めるからだそうです。
日頃、「犬」や「猫」の鼻が濡れているのは、周囲のニオイを嗅ぎ取るためだったんですね。
それに、よく「鼻が濡れているのは健康の証」なんて言われたりすることもありますが、鼻が濡れているからといって、一概に健康と言えるわけではないようです。
というのも、「犬」や「猫」が起きて活発に行動しているときは、ニオイに敏感でいる必要があるので、「鼻が濡れている」のですが、
「眠いとき」や「寝ているとき」は、ニオイを感じる感度を下げるため、「鼻が乾いている」んです。
【猫の鼻の症状別】疑いのある病気とは?
ということは、本来は湿っているハズの「起きて活発に行動しているとき」に鼻が乾いていたり、
本来は鼻が乾いているはずの「眠いとき」や「寝ているとき」に鼻が湿っているのは、「何か異常が起きている可能性が高い」ということになります。
では、症状が鼻に現れる「猫の病気」には、どんなものがあるのでしょうか。
患うと猫の鼻が湿りやすい病気
【鼻炎】
原因は「ウイルス」であったり、「アレルギー」であったりと様々ですが、鼻の中の粘膜が炎症を起こしている状態が鼻炎と呼ばれています。
主な症状として、「初期」や「軽度」の鼻炎であれば、粘度の低い「サラサラ」した鼻水が出ることが多いのですが、症状が進むと「ネバネバ」や「ドロドロ」した鼻水に変化していきます。
治療法としては、鼻炎の原因を見付け、それに合った抗生物質などの投薬が一般的なので、愛猫の変化に気付いたら、動物病院への受診を心掛けてください。
【副鼻腔炎】
鼻の粘膜のさらに奥にある副鼻腔に炎症が起きている状態で、病状が進むと「蓄膿症」を併発する可能性が高い病気です。
症状としては、「膿」が出ることが多く、「ドロッとした黄土色の液体」や「鼻水に血液」が混じっているようであれば、一刻も早く動物病院での診察が必要となります。
治療法としては、軽度であれば抗生物質などで炎症を抑えることもできるのですが、重度になると外科手術が必要になることもあるようです。
【できもの】
外にできると見付けやすいのですが、鼻の中にできてしまうとなかなか見付けることができないのが、鼻のできものです。
症状としては、鼻血などの出血によって見付かる場合が多く、重度の場合は外科手術によって取り除く必要があります。
患うと猫の鼻が乾きやすい病気
【発熱】
猫カゼ(猫ウイルス性鼻気管炎)などの症状の一つに発熱があるのですが、猫は平熱よりも体温が上昇すると鼻が乾いてしまいます。
愛猫の身体を触ってみて「いつもより体温が高い」と感じたり、体温計で体温を計り、日頃の平熱よりも高いようなら、
「首の後ろ」などの太い血管が集まっている箇所を「濡らしたタオル」や「タオルに包んだ保冷剤」などで冷やしてあげてください。
発熱が長時間続くようなら、動物病院へ連れて行ってあげましょう。
【脱水症状】
猫の鼻が乾く原因として、脱水症状によるケースも少なくありません。
日頃から飲水量が少ない猫は、特に脱水症状を起こしやすいので、「新鮮な水を複数の箇所に用意してあげる」や「水分を多く含んだウエットフードを与える」など、愛猫に水分を接種させる努力が必要です。
それに、猫の脱水症状は進行が早いことも多いので、ぐったりしていたり、猫に触れても反応が弱い場合は、一刻も早い対処が必要となります。
猫の鼻の状態で体調をチェックする方法ーまとめ
このように、猫の鼻の状態が「ニオイの分子」を集める分泌物以外で変化しているということは、何らかの「病気のサイン」であることが多いんです。
ですが、日頃の鼻の「湿り加減」や「状態」は、猫による個体差の幅が広く、「年齢」や「猫種」などによっても様々です。
なので、愛猫の体調を「鼻の状態で見抜く」には、日頃の状態を把握しておくことが不可欠となります。
これから暑くなると、エアコンなどの冷房設備の使用頻度が高くなるので、室内の「温度」や「湿度」が変化しやすく、人だけでなく猫にとっても体調を崩しやすい季節となります。
今のうちから愛猫の鼻の状態を把握しておき、いち早く体調不良を見抜いてあげられるように、日頃から注意深く見守ってあげてくださいね。