愛猫がテーブルの上に乗ったり、壁をガリガリッと引っ掻いたりした時に、つい叱ってしまうことはありませんか?
ですが、叱った時は止めても、また時間が経つと同じことを繰り返すことが多いですよね。
それに、きつく叱り過ぎると猫との関係が悪化してしまうかもしれませんし、ストレスが溜まって膀胱炎などの病気に発展してしまうこともあるようです。
とはいっても、何でもかんでも猫の好きなようにさせるわけにもいきません。
今回は、効果的な猫の叱り方の注意点についてまとめてみました。
猫を叱る時に注意したい3つの心得
では、どうすれば愛猫との関係を悪化させずに、飼い主がして欲しくない行動を止めさせることができるのでしょうか。
猫を叱る際の注意点について考えてみましょう。
叱る内容の一貫性に注意する
まず、愛猫に一定の行動を止めてもらうには、猫に「何をしたらダメなのか」を覚えてもらわないといけません。
ですが、猫の知能は人で例えると3歳位と言われているように、それほど複雑な条件を覚えるのは難しいようです。
どういうことかというと、
猫は同じ行動を取った際に、「叱られる時」と「叱られない時」があると「何をしたら叱られるのか」が理解できないことが多いと言われています。
テーブルを例に挙げると、
普段はテーブルの上に乗った時は叱られても、誰もいない時にテーブルの上に乗っても叱られなければ、
猫は「テーブルの上に乗ると叱られる」とは思いません。
何で叱られるかが理解できていないと止めようがないんです。
中には理解できる猫もいるようですが、要領の良い猫のことが多いので、誰もいない時だけテーブルの上に乗るようになってしまうことも多く、根本的な解決になりません。
なので、猫を叱る時は「何をしたら叱られるか」を理解してもらう為にも、叱る内容に一貫性を持たせるように注意しなければなりません。
もし、テーブルの上に乗るなどの外出中に叱ることができない行為の場合は、猫の行動を妨げるように、猫がテーブルの上に乗れないように物を置いたり、猫が嫌がる「ベタベタしたテープ」を置いておくと効果が高いようです。
叱るタイミングに注意する
次に注意しないといけなのは、猫を叱るタイミングです。
猫は、して欲しくない行動が終わってから叱っても、「何をしたら叱られるか」が理解しづらいようで効果があまりありません。
なので、して欲しくない行動を「行う直前」や「行っている最中」に叱るように心掛けて下さい。
それと、猫に叱られていることを理解してもらう為には、叱り方も大切です。
お父さんは「コラっ!」、お母さんは「ダメっ!」、お子さんは「シッシッ!」といったように、人によって叱り方が違ったり、毎回叱り方を変えるよりも、
叱る言葉を統一した方が、猫は「叱られている状況」を理解しやすいようです。
更に、猫を叱る言葉は人の言葉である必要はありませんので、
「チッチッ!」といった舌打ちのような高音の方が、猫の注意を引きやすく、遠くからでも聞き取りやすいので効果的と言われています。
叱る強さに注意する
最後に大切なのは、愛猫の性格に合わせた強さで叱ることです。
臆病な猫に強く叱り過ぎると怯えてしまいますし、気の強い猫に優しく叱っていては効果があまりありません。
更に、現在の愛猫との信頼関係によって叱り方の強弱を変えることも大切です。
まだ飼い始めて間もない猫に強く叱ってしまうと、猫の心に修復不能の傷を付けてしまうかもしれません。
もし、愛猫との信頼関係の悪化が気になるなら、飼い主のあなたが直接叱るのではなく、
猫に気付かれないように、「音のするものを遠くに投げる」や「音が出るように扉を閉める」などの方法で、猫の気をそらすことで行動を止めさせることが効果的です。
そうすれば、愛猫があなたを恐がることもありませんし、こんなことをしたら嫌なことが起こると理解してくれれば一石二鳥です。
愛猫がその行動をした理由を考えるーまとめ
猫の叱り方の注意点について触れてきましたが、
一番注意して欲しいのは、愛猫を叱る前に「何故、愛猫がその行動をするのか」を考えてあげることです。
猫は人と違う習性を持っていますので、猫の習性による行動を止めさせることはできません。
例えば、猫がテーブルの上に乗るのは、身を守るために高い所を好む習性によるものですし、壁を爪で引っ掻くのも、狩りをするための武器のメンテナンスによる習性です。
習性による欲求は、飼い主に叱られたからといっても止められるものではありませんので、
「キャットタワー」や「爪とぎ器」を用意するなどの方法で、猫の欲求を満たせる準備を行ってから、「どうしてもして欲しくないこと」だけを止めるように叱ることが大切です。
他にも、猫によっては「突然噛みつく」といったこともありますが、「遊んで欲しい」のかもしれませんし、「何かを訴えている」のかもしれません。
ただ闇雲に叱るのではなく、「何故、愛猫がその行動をするのか」をよく考えてから、対処法を考えてあげるのが、猫と上手く暮していくコツだと思います。