一般的には猫カゼと呼ばれていますが・・
実は、猫カゼとは「風邪のような症状」が現れる3つの猫の感染症の総称なのです。
それに、3つそれぞれの感染症は症状も少しずつ違いますし、効果のある予防ワクチンの種類も変わってくるのです。
今回は、そんな猫カゼを感染症ごとに分類し、症状・予防・治療法ごとにまとめてみました。
猫カゼの症状
3つの感染症の全てに当てはまる症状は、くしゃみ・鼻水・発熱です。
しかし、それぞれの感染症には特徴的な症状もあります。
猫カリシウイルス感染症
症状の特徴としては、口内に口内炎や舌炎による水疱が出来る事が多いので、痛みのために食欲の低下が見られます。
口内炎の症状が悪化すると、口臭が強くなったり、痛みで口が閉じられないためにヨダレを出すようになります。
猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)
症状の特徴としては、結膜炎により目ヤニが目立つようになります。
症状が慢性化してしまうと、視力の低下などの後遺症が残ってしまうので早期治療が肝心です。
その他にも、食欲の低下が見られる事もあります。
猫クラミジア感染症
症状の特徴としては、気管支炎によって咳をするようになります。
症状が進んでしまうと、肺炎や呼吸困難におちいる事もあるので注意が必要です。
その他にも、猫ウイルス性鼻気管炎と同じ結膜炎の症状が出ますが、猫クラミジア感染症の方が症状が進行しやすく長期化しやすいという特徴もあります。
猫カゼの予防法
猫カゼを予防するために一番効果的なのは、予防ワクチン接種を受ける事です。
しかし、猫の予防ワクチン接種で一般的な「三種混合ワクチン」では、猫クラミジア感染症の予防にはなりません。
全ての猫カゼを予防するには、「五種混合ワクチン」か「七種混合ワクチン」を摂取する必要があります。
それと、予防ワクチン接種には、万が一猫カゼに感染しても症状が軽くて済むという特徴もあります。
しかし、予防ワクチン接種をするという事は「病原体から作られた弱毒化した抗原を体内に入れ軽い病気の状態にする事で抗体を得る」という事なので、少なからず猫の身体に負担がかかってしまいます。
ですので、摂取する「ワクチンの種類」や「時期」については、かかりつけの獣医さんに相談する事をおススメします。
猫カゼの治療法
猫クラミジア感染症は、特効薬が開発されているので投薬により完治が可能です。
しかし、猫カリシウイルス感染症と猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)には今のところ特効薬がありませんので、インターフェロンの投薬で免疫力の高めたり、食事療法により体力をつける事で徐々に症状を緩和する事が治療となります。
ですので、一度でもカリシウイルスやヘルペスウイルスに感染してしまうと完治する事は難しい上に、体力や免疫力が低下するたびに再発する可能性が非常に高くなってしまいます。
それと、猫カゼは放置してしまうと悪化の一途をたどる病気なので、「早期発見」「早期治療」が肝心です。
「早期発見」「早期治療」が出来れば、あなたの愛猫が苦しむ期間も短くなりますし、治療費の負担も少なくて済みます。
猫カゼの症状・予防・治療法ーまとめ
「我家の愛猫は他の猫と触れ合う事が無いので安心」と思っているかもしれませんが、猫カゼの感染経路は他の猫との直接接触だけではありません。
人の身体や服などに付着した病原体からでも感染してしまいます。
あなたが外からお家に病原体を持ち帰ってしまい、感染してしまう可能性も高いのです。
それに、多頭飼いの場合は、猫カゼに感染した猫が一匹いるだけで他の全ての猫にも感染が広がってしまう事がとても多いのです。
「たかが猫カゼ」と思うかもしれませんが重症化すると命に関わる病気ですので、愛猫には予防ワクチン接種を受けさせてあげて下さい。
それでも、万が一猫カゼを発症してしまった時にあなたがいち早く気付けるように、日頃から愛猫の様子に注意しておきましょう。
特に、体力や免疫力の無い「子猫」や「シニア猫」は重症化しやすいですし、他の病気にかかっている場合もより一層の注意が必要です。
それと、猫カゼは人に感染する事はありませんので、安心して愛猫の治療に専念してあげて下さい。
猫カゼ以外にも、様々な猫の感染症があります。
あなたに「猫の病気の知識」が無いと「病気の予防」ももちろんですが、「早期発見」「早期治療」をすることが出来ません。
下記に猫の感染症記事へのリンクを貼っていますので、参考にしていただければ幸いです。