暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
巷では、「夏バテで・・」なんて声を聞くことも増えてきました。
では、お家の猫ちゃんの様子はいかがですか?
「実は、愛猫も夏バテしてて・・」とおっしゃるなら、少し注意が必要かもしれませんよ。
と言うのも、猫は人と違って「夏バテ」にはならないそうです。
飼い主が「夏バテ」と思っているだけで、実際は「違う病気が原因」というケースがほとんどらしいんです。
今回は、他の病気と勘違いしやすい、猫の夏バテについてまとめてみました。
夏バテの原因とは?
まず初めに、人が夏バテになる主な原因を考えてみましょう。
- 汗をたくさんかくことで体内の「水分不足」や「ミネラル不足」を招く
- 食欲不振による栄養不足
- 「室内」と「屋外」の温度差による自律神経の乱れ
「なんとなく身に覚えが・・」と感じる方も多いのではないでしょうか。
では、夏バテの原因を一つ一つ、猫の生活に当てはめてみましょう。
- 猫は肉球以外の場所から「汗をかく」ことがほとんどないので、しっかり水を飲んでいれば「水分不足」や「ミネラル不足」にはなりません
- 人が夏に栄養不足になる原因は、「冷たい飲み物の摂り過ぎによる胃腸の働きの低下」や「さっぱりとした栄養価の低い食事に偏る」ことが問題なので、一年中同じものを食べている飼い猫には当てはまりません
- 一日中を室内で暮らす完全室内飼い猫は、「室内」と「野外」を行き来することがないので、温度差によって自律神経が乱れることはありません
こうしてみると分かるように、猫には夏バテになる原因がほとんどありません。
それも日々の生活を室内で過ごす飼い猫となれば、なおさらなんです。
夏バテと勘違いしやすい猫の病気
では、私達が夏バテと勘違いしている猫の様子とは、一体どんな症状でしょうか。
さらに、どんな病気を患っている可能性が高いのでしょうか。
食欲がない
日々のご飯の量を決めている場合、愛猫がご飯を食べ残すと食欲不振を疑ってしまいますが、ちょっと待ってください。
食欲不振を疑う前に、愛猫の体重を計ってみましょう。
と言うのも、ご飯を食べる量が減っても体重が減っていなければ、何も心配することはないんです。
何故かと言うと、猫は夏の暑さのせいで運動量が減ることが多いので、それに伴い必要な栄養の量も少なくなります。
なので、ご飯を食べる量が減ったからといって、一概に食欲不振というわけではありません。
日々同じ栄養価のご飯を食べている猫の場合は、ご飯を食べる量よりも、運動量と栄養のバランスがとれていることが大切なんです。
逆に、運動量が減っているのにご飯を食べる量が減っていなければ、体重の増加に伴う肥満の心配しなければなりません。
ですが、もしいつもより体重が減っているようなら、何かの病気が原因で食欲がない可能性が高いので、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう。
飲水量が多い
人は汗をかくと喉が渇くので、必然的に飲水量が増えるのですが、猫は体内の水分を有効に使えるように進化しているため、ほとんど汗をかきません。
なので、猫は暑くなったからといって飲水量が増えるわけではないんです。
では、どんな時に猫の飲水量が増えるのでしょうか?
一般的に猫は高齢になるほど飲水量が増えると言われています。
これは、老化などによって腎臓の働きが衰えると頻尿になり、頻繁にオシッコをするため、体内の水分が足りなくなるんです。
腎臓系の病気だけでなく、他にも「糖尿病」や「甲状腺機能亢進症」など、体内で多くの水分が失われる病気になると、頻繁に水を飲むようになります。
なので、愛猫の飲水量が増えたと感じたら、「暑くなったから喉が渇くんだろうな・・」なんて悠長なことは言ってないで、まずは病気を疑うことが大切です。
元気がない
愛猫の夏バテを疑う症状で最も多いのが、「元気がない」ではありませんか?
「同じ場所でジッとしていて、ほとんど動かない」や「遊びに誘っても反応がない」「いつもみたいに近くに寄ってこない」など、愛猫の元気がないと心配なのも分かります。
しかし、猫などの動物は、人と違って「無理に何かをしよう!」や「あれをしておかないと・・」なんて考えは起こしません。
無駄な体力を使ってしまっては、「いざっ」という時に行動できなくなってしまい、場合によっては命に関わる危険性があるので、何もない時は「体力を温存するためにジッと動かない」という習性があるんです。
なので、「朝方」や「夕方」などの気温が低くなる時間帯に、愛猫の行動を観察してみましょう。
昼間はぐったりして動かなくても、気温が下がってから「食事」や「運動」などの行動を起こすようであれば、それほど心配する必要はありません。
しかし、気温が下がってもぐったりしているようなら、何か病気を患っているのかもしれないので、念の為に獣医さんの診察を受けることをおススメします。
夏は特に愛猫の毛艶に注意!ーまとめ
では最後に、とっておきの猫の体調不良の見分け方をご紹介しましょう。
それは、猫の毛艶で体調を判断する方法です。
と言うのも、猫は体調が悪いとグルーミング(毛づくろい)をしなくなります。
なので、体調不良の猫は、「毛艶が悪い」や「毛がボサボサしている」「身体が薄汚れている」といった特徴が容姿に現れるんです。
それに、その様子は夏になると特に顕著に現れます。
何故かと言うと、猫にとってグルーミングは体温の調節機能も兼ねているので、
元気な猫は暑い夏になるとグルーミングの頻度が増える傾向にあり、毛艶がピカピカになっているハズなんです。
つまり、暑い夏は特に「元気な猫」と「体調不良の猫」の毛艶の差が大きく現れるので、見極めが容易になるんです。
なので、愛猫が「毛艶が悪く、何となく薄汚れているな」と感じたら注意が必要です。
もしかしたら症状が表面化していないだけで、何かの病気に蝕まれているのかもしれません。
病は「早期発見・早期治療」が肝心です。
症状が現れる前にできるだけ早く、かかりつけ医の獣医さんに診てもらいましょうね。